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どんな時も美しい、着物。

私も自分なりに、一生、着物を愛していきたいと思っています。




ただ、気候が厳しい時といったら……!!




夏は終わりました。それでも、容赦なく冬は来ようとしています。

どうすればいい!?と思っていませんか。




ほぼゼロから着物を学んで17年めの私が、リアルな私の着物の防寒対策をぶっちゃけて、あなたにエールをおくっちゃいます。

プロ中のプロだからこそ、訊けないことがある




いきなりですが、この動画をご覧ください。



さすがは祇園の皆さん、厳しい季節の雨支度(あまじたく)もばっちりです。





申し遅れました、たけいさんです。

着物歴17年です。





私の祖母は呉服屋の娘でしたが、遠くから、まったく違う家業の祖父に嫁いでくれたせいもあり、残念ながら、私が着物を本格的に好きになったのは、結構あとでした。

成人式は振袖でしたけれど、縁あって本格的に着物を好きになり、着つけ講師の資格を取ったのは25歳の時です。ちなみに、祖母はもう亡くなっていました。





地元だとちょっと目立つので、旅行先に着物を送っていそいそと着ることもありましたよ。今でもそうかな。隠れキリシタンのようです。

家族は、私が着物を着ることに賛成ではなく、季節の着物をそろえるさいにも、時々は援助してくれたけれど……という感じ。





そんな私が困ったのはまず夏の着物、次に雨支度、そして防寒対策でしょうか。

とにかく、ほぼなんにもなかったんですから。





私の父の実家は旧城下町にあって、昔は花柳界も栄えていました。

当時は、そこの若い芸者さんが、京都に出て芸妓さんになることがあったのですけれど、その町の芸者さんは、芸事の試験を免除されたそうです。





父の実家のそばには、古い悉皆屋(しっかいや)さんがあって、着物をメンテナンスする機会にあわせて訊けば、分からないことはなんでも教えてくれました。





それでも、


「この帯の花はなんですか。いつなら着てもいいでしょうか」


という質問はできても、


「寒い時はどうされてますか。ひょっとしたらババシャツ着てらっしゃいますか」


という質問は……できなかったですね。





そりゃね。きっと訊く場所を間違ってますね。

当時の私がどうしていたか

着物 防寒対策2



今だったらスマホでほとんどがお悩み解決、もしくは同士を見つけられますけれど、当時の私には難しかったんですよ。

だから最初の防寒具は、リサイクルきもの屋さんで買った道行コートと、黒いカシミヤの大きなストールでした。

道行コートを知らない方は、このイラストと、このページをご覧ください。

着物 防寒対策3
出典 http://www.kanaiya.co.jp/mame/05-01.koto-haori.htm



とにかく、私が買った道行コートは、リサイクルの渋めの色のピンクのものでした。

渋めとはいえ、ピンクですから、まだ二十代なかばの私が着る着物にあわないことはなかったんです。

でも、はっきり言って気に入ってなかったんですね。




着つけを習った先生の影響もあって、私は、なんというんですか、分かりやすく言えば、着物関係で自分専用のサイズでないものは恥ずかしい、と思いこんでいたんですね。

習っていた先生の影響もあります。




だから、着物の防寒対策としてその道行コートを着る時は、上に、洋服兼用のカシミヤの、黒い大きなストールをまいていました。

私なりの、冬の着物のせいいっぱいのお洒落でした。




その大きな、黒のカシミヤのストールは、道行コートよりもずっと高価なものでした。

それをまけば、道行コートがほとんど見えなくなるし、黒とのコントラストで、下の、鮮やかな色あいの着物がさえて見えます。





当時の私は、京都に縁がある先生や、いろいろな方々の影響もあって、若い人むきの、京風の、色鮮やかなものしか着なかったのです。

はなやかなのに、同時に、保守と上品さの世界からはあえて出ない、そんな、縛りの中で、限りなく奥深く発展していくというのが、私の京風のもののイメージなのですが、どうでしょうか。




とにかく私は、京風のものが凄く好きです。生活するのは名古屋のような場所かな、と思うのですが、そういうものを手にいれて、家族や友達に自慢したり、家で見たりするのが楽しいんですね。




そして冬には、あたたかめの和装下着を着て、なんというか、京風の着物を着て、こう言ったら悪いんですけれども、あんまり気に入っていない渋めの道行コートを着て、その上から、道行コートを隠すのと、防寒と、下の着物の色鮮やかさをひきたたせるためにも大きなカシミヤの黒いショールをはおる。

それが私の冬の着物の防寒対策であり、自分なりのお洒落だったんです。





それで、結構いろいろな場所に行っていたのですが、若かったのと、着つけが比較的上手だったので、着物関係で嫌な思いをしたことは、それに関してはありませんでした。

着物 防寒対策4

総絞りの道行コートをいただいて…




その後のことも、えいっ、とぶっちゃけましょう。





ある時また京都に行ったら、冬でしたが、京都駅からタクシーで目的地に移動する時に見たら、こんなに寒い時期でも、素晴らしい和装の装いの方々がたくさんいらっしゃいました。




流れる車窓から見ただけでしたが、あるお嬢さんは、紅い、総絞りの、多分道行コートを着ていたんですね。

凄い、京都にはこういう人がいるんだ、と深く心にきざみつけられました。




ところが、その後、着物関係のご夫婦をお世話する機会があったんです。

そうしたら、後日、そのご夫婦から、紅い総絞りの、しかもマイサイズの道行コートをいただいたんですよ!




もうびっくり。申しわけないけれどいただくことにしまして、でもその紅い総絞りのマイサイズの道行コートを着ていると、いいことがいっぱい。

私が偉いわけじゃないのは分かっているんですけれどね。

特に京都です。季節はずれの小物を買おうとしたら、メンツをつぶさないように、やんわり、今の季節のものにかえてもらえたり、遠まわしにだけれど、顔を憶えてるって言われたり、いろいろ親切にしてもらえたんです。




京都人って冷たいばっかりが有名で、私もあれっ?っという思いをしたことはあるんですけれど、違うルールでの、違うあたたかさがあるのかもしれません。




それにしても、本当に着物って奥が深い




そしてそれが日常着ではなくなった今、着物でお洒落をしようと思ったら、着物の防寒対策にまでこだわろうと思ったら、お金、知識、センス、チャンス、勇気、いろんなものがたっぷりいるということなんでしょうか。




着物の防寒対策についても、凝るのは素晴らしいことだし、凝ればいいことはあるんですけれど、もっと裾野が広くてもいいんじゃないかと思うのはいけないことなんでしょうか。

裾野が広がれば、もっとその世界は発展すると私は思います。





こちらは季節に合わせた着物の柄についてです♪
着物の柄。季節とどうつきあいますか?17年め、私は…