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季節感が大切にされる、着物。
けれど着物離れが進んでいる中、それとつきあうのが難しいこともありますね。
さらに、新しい道を追求する人も。
着物を本格的に好きになって17年めの私は、どうしているか、レポートしちゃいます。
私のきもの歴、そして背景
皆さんこんにちは、たけいさんです。
きもの歴17年です。着つけ講師の資格を持っています。
でも、まだまだ、ひよっこ。
分はわきまえていますが、だからこそ分かることもあるのかもしれません。
私の祖母は呉服屋でしたが、私が、それを知ったのは亡くなってからずっとあとでした。
遠くの人でしたし、祖父の会社はまったく違う職種だったので、そこに嫁いでくれた祖母、そして私の母も、凄く着物に凝るということはなかったのです。
20代なかばで私が着物に興味を持った時、うちのたんすにあったのは、母の礼装と私の振袖だけでした。
つまり、ほぼゼロからのスタートだったんですね。
その後、約1年間、猛勉強して着つけ講師の資格を取得、とある縁がきっかけで、着物関係の華やかな席に参加させていただいたこともありました。
ただ、うちはあまり目立つかっこうができない職種なので、着物はたまにしか着られません。
旅行先が決まると、そこに着物を送っていそいそと着る時もありますよ。
隠れキリシタンのようです。
それでも、私なりに着物を愛し続けてきました。
そんな私は、着物のルール ―― 例えば、着物の柄、特に季節とどうつきあってきたのでしょうか?
ルールは守るけれど、犠牲にはならない
私の着物の柄、季節とのつきあい方は、
「基本的にルールを守る。でも、分はわきまえて、自分を含めた誰かが犠牲になる装いはしない」
ということです。
着物の柄、特に季節も奥が深いですけれど、基本の一部を言えば、季節感を大切にして、先取りはいいけれど遅れてはいけない、ただ例外はあるということです。
分かりやすい例をあげますと、桜の花の柄は、基本的に桜が咲く前に来て、咲いたら、本物と張り合うのは野暮、ということで、着ない方がいいことになっています(一部のものは別)。
ただ、そのルールに対抗できるくらいの上級者には、あえて着る、そしてつらぬきとおした方もいます。
そういう方々には、ご自分なりの美学が確立されるだけの、特別な知識と美意識があるわけで、私は素朴に、凄いなって思います。
何事もそういう方がいるから、その分野が発達していくのではないでしょうか。
ただ私はきっと一生できないし、きっとしないな、と思います。
なぜなら、着物を含めた、「装い」がその人を表すものであるなら、私は古典的にでも、そうでなくても、何かと厳しい戦いをしてまで、装いをきわめる気がないからなのですよ。
自分がそういうことに挑戦するのは、不相応ですし、自分の生き方にあっていない気がする。
何かに挑戦するって、凄い労力がいることです。大抵、される方にも、言い分があるのですから。
挑戦するというのはとても尊いことなのですけれど、力が足りない分野に手を出すと、それはかえってよくないことが多いということなのですね。
だから私は、夏に、アサガオが入った赤いゆかたを着るくらいのことはします。
真っ赤な帯も、似合う限りはしたいです。

夏には涼しい装いをするべき、色も選ぶべき、という方もいますが、これくらいはいいのではないでしょうか。
これで何か言われたことはありませんし、言われても、この件に関しては、私は笑顔で流すだけにするかもしれません。
すべての人の言うことに従うことが、できるでしょうか。
それに本当は、こう思っています。
「この赤は、朝焼けの赤。だから涼しい色」
そして、抽象的な柄だから、桜の柄でも「通年」着られると言われる、作家ものの桜の着物は、よほど厳しい人がいない席ではその通り、着ますが、桜が咲いている頃とその直後、ほとぼりが冷めるまでは、やはり着ません。
わざわざ責めらられる気がしないからです。

そのかわり、ひとが、季節をきわめた装いをしていると、素敵だな、と思いますし、相手によりますが、口に出すこともあります。
この帯、素敵ですよね。いわゆる「むかし着物」ですが、夏物の帯なのに赤っぽくて、秋の柄が入っているんですね。
京都で買ったものです。やはりこういうところは、京都は凄いですね。

読者の皆さんで着物ビギナーがいらっしゃって、季節を追求していきたいなら、こういうものを探すといいかもしれません。
今では再現できない質のよいものも、びっくりするくらいの値段で買えます。
ただ、サイズは気をつけてくださいね。昔の人は小柄でしたから。
あと、着つけには地域差があります。
でも私は帯を主に買っていて、ほとんどは、結局問題ありませんでした。
こんな感じですかね。
私の装い、着物の柄と季節とのつきあい方は、こういう風です。
あなたはどうですか?
着物を買うには予算が…。という方はレンタルで楽しむのはどうでしょう。
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