この記事の所要時間: 約 12分15秒
自転車でのハンガーノックをみなさん経験したことがあるでしょうか?
スポーツバイクに乗るのを趣味としている方は、聞いたことがある、または体験したことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ハンガーノックになり、お腹がすいて動けなくなった・・という方もみえると思います。
実はハンガーノックという症状は、時には命を落としてしまうほど。
体からの悲鳴なんです。
目次
知ってて欲しいハンガーノックは誰にでもやってくる
私の体験を振り返りながら、ハンガーノックについてお話していきましょう。
ロードバイクに乗るのも大分慣れてくると、まわりの友人を真似て、自分なりのルート計画をして遠出したくなるのが自転車乗りですよね。
実は私もその一人。
前日行きたい場所をまでの道のりを調べ、サイクルコンピュータにデータを転送し、自転車の自己点検を済ませると、遠足前の小学生のように、ワクワクしながら、眠りにつきました。

目が覚めて、直ぐに「いってきまぁ~す!」と出かけたい気持ちを抑えつつ、家族を送り出した後は、急いで洗濯や家事を3倍速くらいで終わらせました。
楽しい事が待っていると思うだけで、手も足もさっさと動き、あっという間に片付きましたよ。
さぁ、出発!
先が長いので、のんびり走ることにしていましたが、開放感から次第にペダルを回す脚がいつもより速くなりました。
実は、ペース配分をせずに心の赴くまま走り出すのは、スタミナ切れを起こす原因。
先が長い場合は、ちょっといつもよりも抑え目のペースで走るほうが、スタミナ切れをおこさず最後まで快適に自転車を楽しめたのに・・と後から後悔した走り出しでした。
向かい風が気持ちよく、とても快適。途中で何度か水分補給をしながら、目的地へ向かいました。
土地勘のない場所なので、何度か地図を見たり、道を間違えたりで、到着の予定時間を大幅に超えていました。
知らない道は、調べて出かけても、思ったよりも交通量が多かったり、路上駐車があったり、工事で通行止めだったりと、思わぬ小さなアクシデントが待っていたりしますよね。

ま、まずい。このままじゃ日が暮れてしまう!
ペースをあげて、先を急ぐ。
そしてなんとか目的地までゴールしましたが、かなり時間がかかってしまいました。
ゆっくり昼食をとっている時間もないので、ジュースとお菓子を食べたらすぐに出発しました。
朝食をたっぷり摂ることもせず、出かけてしまったのが大きな間違いでした!
ハイペースで来た道を戻っていく。
ある時から、疲れからなのか、少し手足がしびれるなぁと思っていました。
行きの爽快感とはうってかわって、「いつまでこの道は続くの?」と、自転車に乗っているのが少し嫌になってきました。

なんだか頭もぼーっとしてきて注意散漫になってきたので、一本道で信号もほとんどない堤防沿いを走ることにしました。
この時、ハンガーノックの初期症状は始まっていたんです。
だけど、ちょっと疲れただけだと思い、ここは我慢、我慢、我慢。。
今思うと、この段階で、コースを見直して、少しでもお店がありそうな道を早めに選ぶべきでした。
とにかく脚をまわそう!
あの時、一体何Km/hで走っていたんだろう。。と思うぐらいゆっくりでした。
ちっとも力が入らず、惰性で漕いでいるだけでした。
自転車はフラフラ。
本当にお腹空いた。なんでもいいから食べたい!
頭の中は、食べ物のことばかり考えてました。
この道沿いってコンビニってあったっけ・・。
無情にも、いくら行ってもコンビニもスーパーもない。

あと何キロあるのか、1分おきぐらいにチェックしている。
あーもうダメかも。。と、何度目かのダメかも~で、無事コンビニ発見!
自転車から降り、ロックするのさえしんどく、店の前のベンチに座ると脚に力が入らず、動けない。
手足のピリピリ感が、嫌な感じ。
ポケットの飴を口に入れる。
体の力が抜けて、何分ぐらいボーっとしてただろうか。
そうだ、何か食べるんだった・・。
ある選手が、ゼリー状の補給食とおにぎりを摂っているのを思い出し、ヨロヨロとウィーダーインゼリーとおにぎりを購入し、ボーっとしながら作業のように食べ物を口に運ぶ。
エネルギーチャージは完了したはずなのに、それから30分位、ぼーっと目の前の道を走る車を見つめていました。。
この時、完全に抜け殻状態でした。
それからなんとか家に無事帰宅できたのは、日が傾きかけた頃。

予定よりもかなり遅くなってしまいました。
ふうぅ~やれやれ・・。
帰宅後も、頭はボーッとし、体はヘロヘロ。
無事に帰ってこれたのが不幸中の幸いでした。
これが噂のハンガーノックかぁ。
にしても、100キロそこそこの距離でこんな状態になるとは思いもしなかったわ。
本当に、自分自身がそんな状況になるとは思っていなかったので、びっくりしました。
自転車歴の長い友人の話だと、100キロそこそこじゃ、ハンガーノックになってならないよ!と言っていたので、それなら大丈夫と思っていましたが、それは大きな間違い!だったようです。
こんなに怖いハンガーノック
こんな風にエネルギーを使い切ってしまい、体が動かなくなる状態をハンガーノックといいますが、体の中では、どんなことが起きているのでしょうか。
まず、食事で体内に取り込まれたブドウ糖は、インスリンの働きにより、エネルギーを一時的に保存しておく肝臓のグリコーゲン(肝グリコーゲン)と筋肉のグリコーゲンに吸収されます。

いわば、グリコーゲン=エネルギーの金庫のような役割ですね。
このグリコーゲンがハンガーノックのキーマンなのです。
グリコーゲンは、筋肉と肝臓にあり、ハンガーノックは、肝グリコーゲンが極度に減少したときに起こります。
エネルギーを消費するとき、グリコーゲンは分解され、ブドウ糖がエネルギーになりますが、まず肝グリコーゲン、その次に筋肉内のグリコーゲンが優先的に消費されます。
それは、筋肉内のグリコーゲンは、急に敵に襲われるような非常事態時にエネルギー切れで体が動かないという事がないように、肝グリコーゲンよりも後回しに消費されるからです。
体自らが、危険回避するようにできているのですね。
知っていないと命の危機にあうかも?!ハンガーノックの6つの症状とは?
では、肝臓のグリコーゲンは、どのようなときに消費されるのでしょうか。

これは、血液中の糖が減少したときに、インスリンの働きにより、血糖値を正常に保つために消費されます。
血糖値が下がると、脳は血糖値を正常な状態に戻すために「お腹がすいた」という指令を出します。
エネルギーは、活動する時だけ消費される訳ではなく、「脳と赤血球のエネルギー」として寝ている間も消費されています。
夕食を食べたあと、なにもせずにすぐ眠ったとしても、肝グリコーゲンは約13時間で消費されてしまうのです。
朝食抜きのサイクリングは、いわばガス欠寸前の車でドライブに出かけるようなものなのです。
「昨夜は、たくさん食べたから、朝食抜きでいってきます~」なんて言っていると、それほど長い距離を走ったわけでもないのに、ハンガーノックになっちゃいますよ。
自分の意思とは関係なく、体の限界が近づいていると、まず生命維持を優先してブレーキがかかる仕組み、つまりハンガーノックになるのです。
では、一体どんな症状をハンガーノックというのでしょうか?

・強い空腹感を感じる。
・ビリビリと手足の痺れてくる。
・頭がボーっとしてきて判断力が落ちる。
・さほど疲労感はないのに、力が入らない。
・体が動かなくなる。
・意識を失う。
などの症状があります。
特に、判断力の低下は、転倒や交通事故の原因にもなりかねません。
人によって、出る症状は微妙に違うようですが、空腹と疲れを感じたら、すぐに休憩を取るのがベストです。
この○○を意識すれば、ハンガーノックにならない!
マラソン、自転車などの激しいスポーツでは、途中で補給食を食べる場面を見かけますよね。
これは、ある一定の間隔ごとに補給地点をもうけ、エネルギーをこまめに補給することで、ハンガーノックを予防しているのです。

成人男性でおよそ1時間自転車で走ると400kcal、女性は300kcal消費されます。
(個人差がありますので、目安です。)
平均時速25km/hで100km走ろうと思うと、4時間自転車に乗っていることになります。
消費カロリーは、男性でおよそ1600kcal、女性は1200kcal。
グリコーゲンに貯めておけるエネルギーは、筋肉内グリコーゲンは1000kcal、肝グリコーゲンは350kcal。(多少の個人差があります。)
つまり合計1350kcalをグリコーゲン内に貯蔵しておくことができるので、ハンガーノックを防ぐためには、この数字1350kcalを意識してカロリー摂取する必要があります。
ハンガーノックを未然に防ぐ補給食とは?
私はハンガーノックを体験してから、一人で走る時は、次の目的地までのおおよその所要時間を目安にして、必要カロリーに応じてこまめに摂るようにしています。
サイクリスト専用の補給食も販売されていますが、なかなか日本人の口に合うものが少ないようで、ゼリー系補給食や、パン、おにぎり、バナナなどを補給食として常備する人が多いようです。

・消化がよく、すぐに糖質に代わるもの。
・携帯しやすい。
・自転車に乗ったままでも食べやすい。
など、こだわりは人それぞれのようですが、私のイチオシはこちらです。
・「井村屋 スポーツようかんプラス」。
こちらは、甘さの中に、やや塩っぽさも感じる一時流行った塩ようかんを思わせる味わい。
ゆっくり吸収されるようなので、糖分がジワジワ効いてくる感じでしょうか。
食べやすくパッケージが自転車に乗っていても食べやすいように工夫されているコトロに、自転車乗りへの愛情を感じます。
サイクルウエアのバックポケットにも邪魔にならずにスッポリ入るのも良いです。
名刺がわりに補給食の交換をするときも、「あーこれ気になってた。ほかの羊羹と何が違うの?」的な話題になって、盛り上がること間違いなしですよ?!
・バータイプ 補給食
一部の間で社会現象を巻き起こし、この夏劇場公開された自転車競技アニメ「弱虫ペダル」。

そのアニメの中で、新開隼が補給食としていつも食べているのが、バータイプの補給食。
私が食べた海外もののチョコベースのエネルギバーは、恐ろしい程ボリュームがありました。元々あまり甘いものが好きではないので、途中で捨てる訳にも、ポケットにしまう訳にもいかない状況だったので、完食するのがとても辛かった想い出が・・。
・ゼリー系の補給食。
すばやく吸収されるように作られているので、血糖値を一気に上昇させエネルギーに変える効果があります。
エネルギー切れには即効性があり、とても重宝しますが、私は満腹中枢が満たされず、すぐに空腹の状態になってしまいます。
さらりとした食感は、喉が渇いた状態でもスルっと入るので、ありがたいですね。
ゼリー状の補給食のほかに、おにぎりなどの炭水化物の両方を準備するのが腹持ちの面から考えるとベストのようです。
以上のような補給食を、リュックやバックポケットにしのばせていれば、お店がないような場所でのサイクリングだって、安心ですね。
仲間と走る時は、新作ものやご当地お菓子の交換などしても楽しいですよ。
おおよその摂取カロリーを覚えておき、次の補給地点までの目安にすることもハンガーノックの予防にもなると言えますね。

まとめ
1.知ってて欲しいハンガーノックは誰にでもやってくる
2.こんなに怖いハンガーノック
3.知っていないと命の危機にあうかも?!ハンガーノックの6つの症状とは?
4.この○○を意識すれば、ハンガーノックにならない!
5.ハンガーノックを未然に防ぐ補給食とは?
カロリー消費の激しいスポーツ、自転車。
ママチャリとは違い、楽に遠くまで行け、自転車さえ購入すれば手軽なスポーツです。
最近女子にもかなり人気が出てきましたね。
どこへ行っても見かけるコンビニですが、車の交通量が少ないサイクリング向けの道はコンビニなどのお店がない場合もあります。
そういう状況を想定して、いつも簡単にカロリーが摂れるものを用意しておくことが、ハンガーノックの予防につながるのです。
なってからでは、体が動かず、自分で対応できない場合もあります。
自己管理をして、これからも快適に自転車ライフを楽しみましょう。
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