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「何だか育てている野菜が、元気がないなぁ」と肥料を与えても一向に元気にならない。
これは、もしかすると連作障害かもしれませんよ。
肥料をあげるのは、ちょっと待って!
もし、連作被害だったら、逆に肥料の与えすぎで、濃度障害で根が傷んでしまいますよ。
目次
連作障害を知らないと恐ろしいことに
ある種類の野菜を3年以上、同じ場所で栽培しない方が良いって知っていますか?
知らずに連作を繰り返すと、収穫がガタンと減少したり、うまく育たなくなってしまいます。これを連作障害といいます。
連作障害という言葉すら知らなかった私は、かなり驚いてしまいました。何気なく見ている近所の畑も、実は連作被害に合わないように対策が施されていたのです。
知らずに何年も同じところで育ててしまうところでした。
知らないって、恐ろしいですね。
一度、連作障害になると、現状復帰までにはかなりの労力や時間が必要だそうです。
そのため、農家の方は、連作障害に対してとても気をつけてみえるそうです。
何でもっと早く知っておかなかったんだろうと後悔したくないですよね。
これは是非未然に防ぐ対策を知っておく事が必要ですね。
連作被害の被害大丈夫ですか?

同じ場所で同じ野菜、または同じ科の野菜を続けてつくると、その科特有の病気や、害虫にかかりやすくなり、うまく成長しなくなり、酷いときには枯れてしまいます。
特に、ナス科やウリ科、マメ科、アブラナ科の野菜は、特に注意が必要です。
代表的なのが、
フザリウム菌、アブラナ科のネコブ病、萎黄病、害虫センチュウの被害です。
害虫は、病原体の媒介役になり、結果として病気を引き起こす原因になるのです。
害虫がここまで植物に害のあるものだなんて思いもしませんでした。
でも、同じ野菜を作っただけで、どうしてここまで酷い事になってしまうのでしょう。
実は、同じ野菜を作るという事は、土の中で必要な栄養分が同じという事ですよね。
つまり、ある一定の栄養分は野菜が育つために減っていき、逆にその他の栄養分は、残っていくので、バランスが崩れてしまうのです。
また、ある植物は、他の植物の成長を抑制する毒素のようなものを根から出す特性があり、長期間育てる事により、その濃度が高くなり被害を及ぼすことになります。
他にも、前回育てた植物から細菌を引き継いでしまうなど、連作被害は一度かかるととてもやっかいな事になってしまうのです。
これは、連作障害の対策を考えてから植物を育てないといけないという事ですね。
知っておかなきゃ!連作障害の原因と対策

堆肥や、家畜の糞、米ぬかなどを発酵、熟成させて作られた有機肥料に比べて、人工的に作られた扱いやすい化学肥料は、実は連作障害の原因のひとつなのです。
良いと思い与えていた化学肥料が、実は連作障害を引き起こすなんてショックですね。
逆に有機肥料は、中に含まれる微生物が、土を浄化してくれるので、連作被害がほとんど起こりません。
我が家は近所の楠の落ち葉が沢山庭に舞い込んでくるので、何も植えていない場所に大きな穴を掘って埋めるついでに、堆肥を作っています。
ほとんど化学肥料に頼らずに家庭菜園を楽しんでいるお陰で、虫の被害も少ないです。
知らずにやっていたことですが、そう考えるとやっかいな大量の落ち葉も、すごくありがたいものに思えてきます。
といっても、化学肥料が悪いものという訳ではありません。
足りない土の栄養素をピンポイントで効率よく補うために、農家の方も有機肥料と併用して遣っているそうです。
肥料は、化学肥料と、有機肥料をうまく使うことが大事なんですね。
病原菌(フリザウム菌)を媒介する害虫の存在も忘れてはいけません。
「害虫は、見るのも嫌だから農薬を使用していますよ。」というお庭こそ、虫に要注意。
農薬を使い続けると、虫自体に抗体ができてしまい、薬が効かなくなってきます。
薬の種類を変えれば、一時的に虫はいなくなりますが、また同じように発生します。
抗体を持った強い虫が繁殖し、菌の媒介者となって、土を荒らしていくのです。
人が強い薬を飲み続けると、いつか薬が効かなくなるのと、一緒ですね。
残存農薬による体への影響なども考えると怖いですよね。
過剰な農薬散布は、土にも体にも良いことはひとつもないんですね。
農薬を安易に使わず、虫がこないように、布で覆ったり、見つけた場合は取り除くなど、目をくばり手をかけることが一番だそうです。
我が家も、子供にアレルギーがあるので農薬は使いませんが、その分植物の葉に虫をよく見つけます。
秋には、土を掘り返すと、カナブンの幼虫をよく見つけます。
その度に、恐る恐る箸でつまんで取ったり、たまごがついていないか、葉の裏もなるべく観察するようにしています。
時には、農薬を使ったほうが、楽だよね…と思うこともありますが、手間をかけた分、健康でいられるかもと思うと、農薬を蒔く気にはなりません。
連作被害への一番の対策は、やはり同じ科の植物を同じ場所で育てないということです。
特に、
ナス科やウリ科、マメ科、アブラナ科は、特に連作障害になりやすい科の植物です。
連作障害というと、野菜を想像しがちですが、草花も同じように注意が必要なんですよ。
身近な草花をあげると、マメ科はスイートピー、アブラナ科は、菜の花があります。
草花の場合、つい忘れて何度も同じ場所に植えてしまいそうですよね。
連作障害が出る主な野菜は、
ナス科といえば、トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモなど。
マメ科は、エンドウ、ラッカセイなどの豆類。
アブラナ科は、大根、キャベツ、ブロッコリー、チンゲンサイ、ミズナなどです。
育てるのも簡単ですし、とってもポピュラーな野菜ばかり。
初心者にとっては、家庭菜園の入門みたいな野菜ばかりですよね。
私は、何度も同じものを植えて、レベルアップしていくつもりでした。
連作障害のことを知ったとき、「え?そうなの?!」と衝撃を受けましたよ。
反省点を改善していって、上達していこうと思っていた矢先のことだったのに。
3年以上は連作しちゃダメだなんて…折角やる気満々だったのに、なんだガッカリです。
庭に作った畑いっぱいに、ジャガイモを植えて2年目、じゃあ次はどうしたらいいの?
連作障害対策、花を見て、○に気をつけて

じゃがいもと同じ、ナス科のトマト、ナス、ピーマンも同じ場所に植えることが出来ません。ナス科とアブラナ科は別の分類ですが、連作してはいけません。そのため、他の科の野菜を植えることにしました。
2年間栽培していたじゃがいもは、ナス科。
次に植えるのはセリ科のニンジンや、イネ科のトウモロコシなら大丈夫です。
トマト(ナス科)を植えたら→トウモロコシ(イネ科)→ハクサイ(アブラナ科)→ニンジン(セリ科)
ジャガイモ(ナス科)を植えたら→ニンジン(セリ科)→キャベツ(アブラナ科)
という順に植えれば、連作障害の対策になるということなんです。
これを輪作といいます。
確か「輪作」っていう言葉は、中学校の授業で習った覚えがありますよね。
なんだか久しぶりに聞いた言葉だなぁなんて思いました。
合理的に輪作するには、イネ科作物→マメ科作物→根菜類の順番が基本だそうです。
イネ科作物は有機物の還元量が多く、土の力を強くする性質があります。
マメ科作物は土壌中の窒素量を増加させます。
根菜類は根が広く張って成長する性質と、収穫作業などで土を深く起こす作業があるため、深く耕すような作用があるからです。
そしてこれはあくまでも、植え付けの一例です。
次に植える植物が、何科に属するのかに気を配りましょう。
連作被害の対策のため、よくある野菜の分類は覚えておいたほうがいいですね。
同じ科かどうかの目安は、どんな花が咲いていたか思い出せば、意外と簡単にわかります。
うーん、なるほど、なるほど。
確かに同じナス科のじゃがいもの花と、


ナスの花、似ていますね。
連作障害対策のひとつは、科に気をつけて育てることが大切なんですね。
連作障害の対策として、畑を休ませる事も重要です。
・1年以上休ませるもの
オクラ、キャベツ、ネギなど
・2年以上休ませるもの
キュウリ、ササゲ、ジャガイモなど
・3年以上休ませるもの
サトイモ、トマト、ハクサイ、ピーマン、ソラマメ、トウガラシなど
・5年以上休ませるもの
エンドウ、ゴボウ、スイカ、ナスなど
・障害が出にくいもの
カブ、シュンギク、タカナ、タアサイ、ホウレンソウ、ミズナ、ミツバ、レタスなど
・連作できるもの
カボチャ、サツマイモ、タマネギなど
ダイコンは3年、ニンジンは4年くらいの連作なら可能です。
畑を区切り、違う科のものを組み合わせてローテーションさせるのが良いそうです。
ですが、「畑を休ませるのが何だか勿体無い!」という声が聞こえてきそうですね。
連作障害の対策として、有効な方法が他にもあります。
ナス、キュウリ、スイカは、接木してある苗や耐病性の品種の苗を植えると、連作できたり、休み期間を短くすることができます。
相性の良い植物「コンパニオンプランツ」を一緒に植えると、連作障害になりにくいそうです。
葉ネギと、きゅうりは土壌病害を防ぎ、マリーゴールドと春ダイコンは病害虫、ナスとチャイブは青枯病を防ぎます。
気候や、土壌条件にもよるので、100%効果があるものではありませんが、薬に頼らずに連作障害を防ぐことが土を健康な状態に保つために重要な事なのです。
もし、連作障害になってしまったらどうすればいいの?

実際、連作被害になってしまったら、どうすればいいのでしょうか?
・前の作物の葉や根、株などを土から全て取り除く。
・天地返しのあと、水をあげ、ビニールシートで覆い、太陽熱で土壌消毒。
・接木苗を利用したり、耐病性品種を選んで苗を買う。
・堆肥や藁を入れ込み、土の表面が下になるように掘り起こす。(転地返し)
・マリーゴールドを一緒に植え、枯れたら畑にすき込み、ネグサレセンチュウ対策する。
・有用性微生物群EM菌を使用して、センチュウ対策をする。
なんだか、とても大変そうですね。
やはり連作障害になる前に、作付け計画をしっかり立てて、未然に防ぐ事が大切ですね。
まとめ
1.連作障害とは、同じ場所に同じ科の植物を3年以上連作すると起こります。
2.連作被害になると、害虫の大量発生や植物が病気になり、酷いときにはかれてしまうこともあります。
3.連作障害の原因は、連作の他に、化学肥料を与えすぎたり、農薬の影響も大きく関係しています。
4.花を見て同じ科かどうか判断することができます。どの科に属しているかに気をつけましょう。
5.もし、連作障害になってしまったら薬による土壌改良もできますが、良い細菌もダメにしてしまうため、太陽光を利用して土壌消毒するのが一般的です。
趣味ではじめた家庭菜園ですが、知れば知るほど奥が深くて、知らずにやっていることが、実は植物に良くないことだとわかり、毎回いろんな発見があります。
農業を生業にしている農家の方々の大変さも知ることができますよね。
当たり前のようにいつもスーパーに並んでいる野菜は、そんな農家の方々の苦労があって私たちの食卓に届けられるんですね。
もっと感謝していただかなければと、改めて思いました。
害虫対策 (虫が沢山でてくるので、覚悟してみてくださいね。)
家庭菜園憧れるけど、何から準備したらいいか分からないですよね。
だけど、超初心者でも大丈夫。これを読めば失敗なし⁉です。
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